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2022-05-02

戯曲を読む会Vol.4開催レポート

「○○をする会」とか「○○のつどい」とかの語感に漂う雰囲気って

何か良くないですか?そうでもないですか?私は好きです。

全然関係ないですが、「題名のない音楽会」って、番組の途中にCMがまったく流れないって知ってますか?

なんでもスポンサーの偉い人が「芸術に中断はねぇ!」ってイキな事を言ったとか言ってないとか(記憶薄)。

さてさてそんなこんなで、4回目の「戯曲を読む会」が我らの憩いの空間『アトリエブリコラージュ』で開催されました。

レポート担当は捨組のステカセでございます。

今回の戯曲は清水邦夫作「真情あふるる軽薄さ」であります。

本作は「ぬぁくんだよっ!」でお馴染み蜷川幸雄の演出でもって1969年にアートシアター新宿文化劇場で上演された作品でございます。

清水邦夫といえば、「ぼくらが非情の大河をくだる時」(1972年)「楽屋」(1977年)「タンゴ・冬の終わりに」(1984年)等で知られる劇作家です。

劇場っていう日常からちょっとだけ離れた場所で、コーヒーなどを飲みながら戯曲を読む。

ただそれだけなのに、これがなぜかえらく楽しいという不思議。主催のペリさんから作家の紹介や作品の時代背景等の話を聞き、コーヒーの香り漂う中、リラックスモードで読む会スタートであります。

いつもと同様今回も私は初めて読む戯曲でしたが、結論から言ってこの戯曲がまあメチャクチャに面白い。これが1969年には世に出てたと思うともう唸るしかない。

話としては、何かしらの切符を買う為に並んでいる行列(30人くらい)の人々に、酔っ払った青年がほぼ終始罵声を浴びせ続けるだけ(だけってワケでもないか)っていうかなりぶっ飛んだもの。今でいう所のワンシチュエーションものに属する仕様なのかな。この青年の他に、メインキャラである女、中年男を交えて物語(罵り合い笑)が展開されていくのだけど、このやりとりが非常に面白い。そしてラストにはハッとする結末が。いやぁ素晴らしい戯曲であります。

そして話もモチロン面白かったのだけど、なによりこの脚本上の青年が人を罵れば罵る程に、会の空気がどんどん盛り上がっていくのを感じられて、個人的にはそれが凄く面白かった。仕舞いには戯曲を読むのもそっちのけで、参加者全員で「口が悪過ぎ」「女もかなりヤバい」「なぜ脱ぐ」「毛糸編機ってナニよ」等々、コーヒーをぶちまけながら戯曲にツッコミを入れ出す始末(笑)。いやでも、これぞこの読む会の真骨頂ではなかろうか。楽しい。

この世界には低次元のものはより高次元のものに干渉できないという理が存在する。三次元に生きる我々が四次元を感知する事ができないように。だがそれがどうだ、今まさに二次元(戯曲)が三次元(我々参加者)にガッツリ干渉してきているではないか。つまり、戯曲は次元の壁を超越し、読む会は世界の理すら捻じ曲げたのだ!私は一体何を言っているのだ!(笑)

はい、そんなわけで4回目の「戯曲を読む会」は笑いの耐えないとても素晴らしい会になりました。

この話が上演されたアートシアター新宿文化劇場は当時前衛的な作品や、新しい表現を発信する要的な場所だった様で、他にも名のある劇作家がこぞって公演を行っていたとかなんとか。読む会の会場である『ATELIERブリコラージュ』も多くの人々の発信、交流の場になればいいなと考えております。福島のアートシアター的な感じで。

そしてこの「戯曲を読む会」も「題名のない音楽会」に負けないくらい長く続けていって欲しいなと思っております。(因みに「題名のない音楽会」は今年で58年目笑)

今回ご参加頂いた皆様、本当にありがとうございました。

そして次回、第5回「戯曲を読む会」は『外郎売をとにかくゆっくり読む』

5月13日(金)開催であります。

これもかなり面白い事になるんじゃないかと思っております。

皆様のご参加お待ちしております。

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